「発達と動機づけ」 自分の行動の成功や失敗に対する原因認知や個人差の問題は、最近「統制の位置」或いは「帰属理論」の問題として論じられている。
  『統制の位置』(locus of control)〜ロッターの提唱(Rotter,J.B 1966)
人の行動に重要な役割を果たす「期待」の2タイプを想定

1、内的統制型(Internal-Control)
  自己の内的条件(自己の能力や技術、努力など)により、状況を統制できると期待するタイプ。

2、外的統制型(External-Control)
  外的条件(運やチャンス、または他人からの圧力など)により、状況が統制されていると認知するタイプ。

    
宮本美沙子
  講座学習指導2 発達と学習  図書文化 S.56 P.179




「発達と動機づけ」
ド・シャルムによると、自己を「オリジン」と捉える人は、客観的にみて強制のある状況下でも自分の行動を自由に選択できると考えるのに対し、自己を「ポーン」と捉える人は、実際には自由にできる状況下でも、自分の行動は他人に支配されていると考えがちであるという。

    
宮本美沙子
  講座学習指導2 発達と学習  図書文化 S.56 P.179



「オリジンとポーン」
ド・チャーム(ド・シャルム)という研究者は、児童・生徒をポーンとオリジンに分類した。

ポーンというのはチェスの駒であり、オリジンは指し手である。
つまり、前者は他人に使われ、動かされる人であり、後者は自らの意志で、目標をもって行動する人であり、他人に対する影響力を持っている。
したがって、ポーンは自信がなく依存的で、明確な目標を持たないので、意欲やモラールに欠けている。
それに対し、オリジンは自分で決定できるという自信をもち、計画をたて、自分の興味を追求することができるので、意欲もモラールも旺盛である。
いうまでもなく、児童・生徒はオリジンに育てられなければならない。

  ※ド・チャーム Personal causation. Academic.1968
    教育展望 '93.3 P.37
 『学級のモラール(志気)を高める授業』
高野 清純(筑波大学教授)



「発達と動機づけ」 ワイナー(Weiner,B 1972)提唱の『帰属理論』(attribution theory)では、統制の位置(内的・外的)の次元と安定性(固定的・変動的)の次元の組み合わせによる4つの要因を考えている。
 
       成功や失敗の認知の決定要因(Weiner, 1972)    
統制の位置/安定性 内的統制 外的統制
固定的 能力 課題の困難度
変動的 努力
 
宮本美沙子
  講座学習指導2 発達と学習  図書文化 S.56 P.181